「自分の作品を思い通りに撮りたい」世界大会優勝のバルーンアーティストがカメラを習ってからのお話

f:id:cytacamera:20171010181836j:plain

小さなお花から動物、そして実際に人が着られるバルーンドレスまで、風船を使って様々な作品を作るバルーンアーティストの山北由香さん。2012年には世界大会のバルーンドレスコンテストで優勝し、現在もコンスタントに大会に出場されています。バルーンドレスの制作、イベントでの装飾、ワークショップ等、多彩に活躍される中、ご自身の作品を中心とした撮影技術向上のために、カメラ教室に通われています。カメラを始めてから見える景色がどのように変わったのか、バルーンアートの世界の解説も交えてお話いただきました。

山北さんがバルーンアートを始めたきっかけ

バルーンアートを始めたのは、イベントに出かけたときにバルーンを作っている方がいて、その方からバルーンをもらったことがきっかけでした。それまで全然触ったこともありませんでしたが、可愛さにとても驚いて。「どうやって作っているんだろう?」という疑問から、もらったものを分解してみたりしました。そして、次の日にさっそくバルーンアートのキットを買いに行って見よう見まねで始めました。ですので、はじめは全く仕事にするつもりはなく趣味から始まって職業になったという感じです。

2003年にバルーンを始めて2004年頃から大会に出始めました。ちなみに、バルーンの大会では第一線で活躍している人たちが、セミナーを開いているので、そういった機会や仲間同士の情報交換で、技術を身につけていきました。バルーンアートの大会は経験者向けのコンテストやセミナーだけに留まらず、これまでバルーンアートに触れたことのない方にも楽しんでもらい、バルーン人口増加へのきっかけとなるよう初心者向けの体験教室や、一流のバルーンアーティストによるパフォーマンスステージの観覧、実際のコンテスト作品を見て投票出来る投票権など一般の方でも楽しめる内容が充実する大会へと年々進化を続けています。

f:id:cytacamera:20171002215322j:plain

山北由香さん 使用カメラはCanon EOS 6D

f:id:cytacamera:20171002213857j:plain

小ぶりな作品から、催し全体にわたる装飾まで幅広く制作されています

作業時間は通しで20時間!1着のバルーンドレスが出来るまで

f:id:cytacamera:20171010183655j:plain

着物タイプのドレスも作成されています

元々手先を使う細かい作業が好きだったので、バルーンアート全般に関して、手を使って色んなものを作るという過程が楽しかったのですが、とりわけバルーンドレスは、一般的によく使われるバルーンアート用の風船よりもさらに細い風船を使ってより細かく編み込んでいきます。細かい技術を重ねて完成するというところが、はまるポイントでした。

バルーンドレスは文字通り風船で出来ているので、時間が経ってしまうと、ゴムが縮んできてしまいます。なので、一度作り始めたら、ノンストップで20時間くらい掛けて作り上げます。長時間集中するので、途中はとても苦しかったりもしますが、作品が完成したときの達成感はなんとも言えません。

具体的なスケジュールで言うと、例えば結婚式で着ていただく場合は、前日に式場近くのホテルに宿泊し、(都内であれば自宅にて)当日の朝までにドレスを制作し、出来上がったドレスを会場に持ち込みます。その後、花嫁さんへのドレスの着付けから披露宴会場へのアテンド、披露宴終了後のドレスを脱いで頂くその瞬間までお手伝いします。2日間ほぼ起きているような状態ですが、花嫁さんの笑顔やゲストの方々の反応などを近くで感じられるのでとても楽しいですね。こういうお話をすると体力的な心配をされますが、ハイテンションがずっと続くので意外と大丈夫だったりします。

f:id:cytacamera:20171010183749j:plain

バルーンドレスのオーダーは、ウェディングのシーンでも多いとのこと

担当コーチも、カメラも、目標に合わせて選んでもらいました

カメラは、自分で作ったバルーンの作品を自分のカメラで思っているように撮りたい、という目標で始めました。 以前はコンパクトデジカメやスマホでずっと撮っていたのですが、ある日デジカメが壊れてしまって、買わなければいけなくなりました。どうせ買うなら良いカメラを!ということで新しいコンパクトデジカメを購入しました。

カメラ教室を検索して、サイタカメラ教室のサイトを見つけ、駅から通いやすそうだったので、「1回試しに」と思い体験レッスンに申し込みました。ネットでの申込後、教室のスタッフの方からすぐに電話がかかってきて、どういった被写体を中心に撮りたいのかを聞いてくださいました。「実は私はバルーンをやっていて、こういうものを撮れるようになりたい」と伝えたところ、物撮りが得意なコーチを紹介していただきました。 紹介いただいたコーチは優しい雰囲気で話しやすく、和やかなムードを作ってくださるので、受講生同士のコミュニケーションを取る事も出来て、レッスンもわかりやすく楽しかったので、そのまま続けることにしました。

f:id:cytacamera:20171002214252j:plain

物撮りのプロに学んだ技術を、バルーン撮影に応用出来るよう日々研究されています

元々用意していたコンパクトデジカメではなく、教室でレンタルしている一眼カメラでレッスンを続けていたのですが、数ヶ月経って自分のカメラが欲しくなり、コーチに相談しました。するとカメラの知識が全然無かった私に何を買ったら良いのかをレンズも含めてとても細かく教えてくださいました。購入のために専門店に行くのも、以前はかなり敷居が高く感じていましたが、前もってコーチが教えてくださった商品を頭に入れていたので、「今通っている教室の先生におすすめを聞いたのですが」と、店員さんにも話しかけやすかったです。

カメラ購入後も、授業を受けていると、毎回毎回新しい機材や撮影方法を教えてもらえるんですよ。そうなるとどんどん欲しくなっちゃうんですね(笑)その度にコーチに「これは何を買ったらいいですか」と質問しています。毎回たくさんのことを教えてもらえるので、わからないなりに、機材をどんどん揃えていける楽しさも味わえています。

f:id:cytacamera:20171002214516j:plain

コーチのおすすめでマクロレンズを購入

カメラ教室の受講生視点で見た、バルーンアートと撮影

写すときの背景、角度、光、それに合わせたカメラのあらゆる設定ーーカメラ教室に通ってから、いざきちんと撮ろうとしたときに、気をつけなければいけないことがたくさんあることがわかりました。なので、カメラマンの方、写真を職業にしている方は、凄いな、と強く感じるようになりました。

バルーンアートの大会では、制限時間の中でその場で作品を作って、その様子をプロのカメラマンが撮ってくださいます。カメラを始めてからは、作品づくりに集中しているにも関わらず、「今、作品を撮っているカメラマンさんはどうやって撮影しているんだろう?」ととても気になるようになりました(笑)

最近の大会では、大会中に開催される様々なセミナーの中で、カメラマンによる、バルーンを綺麗に撮るためのセミナーも開かれました。また、Facebookで全国のバルーン業界の方とつながっているのですが、誰かが写真をアップすると、綺麗な写真に対する反響もありつつ、撮影で苦労したポイントに関するコメントなどのやりとりが盛んです。写真でバルーンを写すのはむずかしい、どうすれば綺麗に撮れるのか、という声は年々と高まってきているように思います。

f:id:cytacamera:20171002213932j:plain

ライティングを扱った回の課題として提出いただいたお写真

私は教室に入ってから同じコーチから習い続けているのですが、コーチは私がバルーンアートを職業にしていて、バルーンをゆくゆく自分で撮りたいっていうのをわかってくださっています。なので、例えばレッスン内で色々と説明いただく際に、他の受講生向けに通常の説明をしつつも、「この知識はバルーンの撮影にも使えるよ!」ということも、折々で言ってくださいます。コーチは、それぞれの受講生が、主にどんなものを撮れるようになりたいと思っているのかをちゃんとわかっているんですよね。

f:id:cytacamera:20171002214023j:plain

本物のひまわりとバルーンアートのひまわりのコラボレーション

山北さんのこれからの目標

今受講しているコースでは、主にマニュアルモードでの撮影を前提にレッスンをしていただいています。私が撮りたいものを見つけたときに、瞬時に設定が出来て、思い通りに撮れるようになりたくて、それが出来るようになるまでは、教室に通い続けたいです。

ちなみに、これまで通っていて、仲良くなった受講生の方が何人もいます。グループLINEで写真を投稿し合ったり、一緒にお茶がてら写真展を見に行ったりもしました。通うまでは、写真教室というともっとかしこまった堅いイメージを持っていたのですが、思っていたよりもとても和やかで、受講スタイルもテーブルを囲んで受講生同士顔が見えるのでレッスン中に、「これ凄いよね」「これはどうやるんだろう」と他の受講生の方とやりとりが出来ているというのも、楽しく続けられた理由だと思いますね。

f:id:cytacamera:20171002220409j:plain

受講生同士の交流も教室での楽しみの一つ

f:id:cytacamera:20171002220755j:plain

バルーンアート制作用のアトリエの一角で、カメラ教室用の課題写真の撮影も行っているとのこと

おわりに / この記事について

「わたしの写真生活」は、「サイタカメラ教室」に通う方の様々なきっかけを集めたメディアです。サイタカメラ教室は、これから写真を始めたいという方のために、あらゆるコースに応じたレッスンを提供する写真教室です。

「一眼レフを購入したばかりで使いこなせない…」という方や、「これから新しいチャレンジをするために写真を上達したい!」という方のために、プロカメラマンによる写真撮影のレッスンを実施しております。